タイプ | |
有料/無料 | 有料 |
ライセンス | GPLv2以降 |
執筆時のバージョン | 0.14.4 |
ユーザ登録の要否 | 必要 |
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Account Expiration Control(以下AEC)は、会員の期間を設定する事ができる有料会員制サイト構築エクステンションです。決済方法はPaypalやオフライン決済(銀行振込など)に対応し、料金割引が可能なクーポン機能、他のエクステンションと連携できるマイクロインテグレーションなど多彩な機能を搭載しています。機能がたくさんありすぎて使いこなすには苦労しますが、自分のものとなれば非常に強力なエクステンションです。
ダウンロードとインストール
AECの購入後、エクステンションのファイルをダウンロードして適当な場所へ解凍します。解凍したファイルの中の「com_acctexp_~」と「plugins」フォルダの中にある4つのプラグインを全てインストールします。なおインストールしたプラグインは全て有効にすることを忘れずに。
AECを日本語化する
上記の「言語ファイル」ボタンからファイルをダウンロードし、適当な場所へ解凍します。解凍したフォルダ内に「administrator」と「components」というフォルダがありますので、FTPを使用してそれらをJoomla!のルートディレクトリへ上書きアップロードして下さい。
設定画面の文字化けを解消する
AECにはバグがあり、日本語化すると設定画面が丸ごと文字化けしますので先に解決しておきましょう。以下のファイルを開き、
/components/com_acctexp/acctexp.class.php
コード内に記述された「ISO-8859-1」という文字列を、全て「UTF-8」で置換します。これで設定画面の文字化けは解消されるはずです。
支払い方法の追加
有料会員制のサイトを構築するに当たって、どのような方法で料金を徴収するかは一番の悩みどころです。AECには様々な決済方法があらかじめ組み込んであるのですが、そのほとんどは海外のものです。唯一使えるのが日本でもメジャーになりつつある「Paypal」と、銀行振込のような「オフライン決済」です。今回はこれらを利用してみます。さらにPaypalの場合は、通常のPaypal決済と、定期的にユーザへ課金するPaypal subscription(定期払い)を組み込んでみます。
また以降の内容はPaypalSandboxを使用することを前提にしています。Paypal Sandboxの使い方については以下をご覧下さい。
AECの管理画面から「支払い方法」を選択します。
ツールバーの「新規」ボタンをクリックし、まずは通常の「Paypal」を選択して「適用」します。
Paypalの設定画面が表示されますので必要な箇所を設定していきます。
- 有効:はい
- ビジネス ID:Paypalのメールアドレス(料金を受領するPaypalのメールアドレス、Paypal Sandboxを使用する場合は売り手側のメールアドレス。)
- テストモード:はい(Paypal Sandboxを使用するか)
- 通貨の選択:日本円
- 言語:日本
またこの画面では、Paypalの決済ページへ遷移した際のヘッダ画像や、商品の名前なども編集できます。Paypalの決済画面で自社サイトのロゴを表示したりする事ができます。
同じように「新規」ボタンから「Paypal Subscription」も追加して下さい。設定内容は上記の「Paypal」と同じです。
銀行振込にも対応するため「オフライン払い(Offline Payment)」も追加します。設定項目は「通貨の選択:」を「日本円」にするぐらいです。銀行振込を選択した際に送信されるメールの内容なども編集できます。例えば振込先の銀行口座などを書いておくと良いかもしれません。
全ての決済方法を追加すると次のようになります。
支払い方法の設定はこれで終了です。
プランを作成する
プランとは会員の期間を決めるものです。プラン毎に会員の期間を設定できますので、例えば「会員期間が1ヶ月のプラン」「会員期間が3ヶ月で割安のプラン」のように作成できます。また1ヶ月プランはPaypal定期払いのみ、3ヶ月プランは銀行振込とPaypal決済のように、プラン毎に支払い方法を設定することもできます。無料のプランも作成できます。
今回は「1ヶ月会員」「3ヶ月会員」の2種類を作ってみます。
AECの管理画面から「プラン」を選択します。
ツールバーの「新規」ボタンからプランを作成します。次の項目を設定しましょう。
- 名前:1ヶ月会員(プランの名前)
- 表示:はい(このプランを表示するか)
- 通常料金:1000(このプランの料金)
- 期間:1(この会員の期間。単位は以下で設定)
- 期間単位:月(上記の「期間」の単位。今回の場合は「1ヶ月」という意味になる)
設定できたら「適用」し「支払い方法」タブへ移動します。先ほど追加した支払い方法が表示されますので、このプランで使用する支払い方法の「有効」にチェックを入れます。
さらに「プランテキスト」タブへ移動し、このプランの説明文を入力します。この文章がユーザに見えるようになります。
また「カスタム金額フォーマット」に次のように入力します。これは決済確認の画面で通貨記号(¥)が金額の前に来るようにするためです。
{aecjson} {"cmd":"condition","vars":[{"cmd":"data","vars":"payment.freetrial"},{"cmd":"concat","vars":[{"cmd":"constant","vars":"_CONFIRM_FREETRIAL"}," ",{"cmd":"data","vars":"payment.method_name"}]},{"cmd":"concat","vars":[{"cmd":"data","vars":"payment.currency_symbol"},{"cmd":"data","vars":"payment.amount"}," ",{"cmd":"data","vars":"payment.method_name"}]}]} {/aecjson}
同じ方法で3ヶ月会員も作成して下さい。設定項目は適宜調整してください。
基本的な設定を行う
AECの基本設定を行います。AECは設定項目が多いので、ここでは最低限必要な箇所のみを紹介します。
AECの管理画面から「設定」を選択します。
設定画面が表示されます。なおIEを使用してるとタブが並んで表示されず、画面の下側に表示されるので注意して下さい。また文字化けしている方は、このページの上の方にある「設定画面の文字化けを解消する」を参照すること。
「全般」タブで次の箇所を設定して下さい。
- プラン加入を必須:はい(有料会員にならないとログインできないようにする)
- プランを最初に選択:はい(ユーザ登録画面の前にプラン選択画面を表示する)
- 確認をスキップ:いいえ(決済の前に確認画面を表示する)
- 標準の通貨:日本円
とりあえずはこんなもんです。後は動作を確認しながら進めていくのが良いとおもいます。
動作を確認する
最低限の設定が終わったので、実際にユーザ登録を行ってみます。
ログインフォームの「アカウントを作成」をクリックします。
AECのプラン選択画面が表示され、上記で登録した支払い方法のボタンが表示されていれば成功です。「Paypal Buy Now!」のボタンをクリックして先に進んでみましょう。
Joomla!標準のユーザ登録画面が表示されます。仮のアカウントをここで登録してみましょう。
確認画面が表示されます。さらに「続ける」のボタンを押しましょう。
「お支払い」の画面が表示されます。この時点でユーザ情報がJoomla!に登録され、管理者とユーザ本人へメールが送られます。「お支払い」のボタンを押して先に進んでみます。
Paypalのログイン画面へ移動しますので、Sandboxの買い手アカウントでログインします。なおPayPalの支払い方法設定画面から、このページ上部に表示されるサイト名(会社名)をロゴ画像にしたり、商品名を変更したりできます。
確認画面が表示されますので「今すぐ支払う」をクリックしてみます。
決済後、サイトに戻ってくると次のような画面が表示されます。この文章もプラン編集画面で変更できます。
会員期間が切れるとどうなる?
ユーザがプランに加入し、会員気管が切れるとログインできなくなります。ログインしようとすると次のような画面が表示され、会員期間の更新を促す仕組みになっています。以前の期間を延長したり、他のプランにアップグレードすることも可能です。もちろんその際には料金を支払う必要があります。